鍼灸

結局、鍼には何回通えば良くなるのか?

こんにちは!鍼灸師の坂口です。

「私の症状、何回通えば良くなるのか?」は誰もが気になるところではないでしょうか。

先に結論をお伝えすると、大筋は以下の通りです。

  • こればっかりはやってみないと分からない(ハッキリとした答えになってなくてスミマセン)
    →ただ、過去にあなたと似たような症状の方が何回くらいで良くなったのか?その確率は何%くらいあるのか?はお伝えできます。
  • そもそも症状が軽いうちに鍼灸院に来られる方は少ないので、多くの場合が5~10回以上の通院が前提になります。数回で良くなることも稀にありますが、本当に稀です。
  • 症状が回復してきたら通院の間隔を空けていきます。最終的には「メンテナンスで月1回」「症状が出てきそうになった時だけ施術を受ける」に着地される方が多いです。

書きたいことは以上ですので、あとは私がいつも患者さんに伝えていることをつらつらと書いていきます。


鍼の効果があるかどうか?は最初の5〜10回目で判断

例えばIBS(過敏性腸症候群)の場合、60%以上の方が、週1回以上の通院で5回以内に体調の変化を感じています。

体調の変化とは「お腹の緊張感や違和感が軽減してきた」が一番多く、早い方だと便秘や下痢、腹痛など最初に困っていた症状そのものに変化を感じられることもあります。

「鍼だったら不思議な効果があって、数回か受ければ何とかなるんじゃないか」と期待して来ていただく方もいますが、数回でスッキリと症状が回復する…なんてことは基本的にありません。

そもそも「病院に行ってみたけど異常が見つからない」「薬を飲んでみたけど効果がない」「大丈夫かと思ってたけど、そろそろヤバいかなと思って」みたいな感じで鍼灸院に来られる方が大半なので、どうしても回数を重ねて施術を行う必要があります。

実際に施術している私の感覚としても、5〜10回目までに体調の変化を感じられた場合はそのまま施術を継続していくと症状が回復していくケースが多いです。

ただ残念ながら全ての方が変化を感じられるわけではありません。先ほどのデータでは約30%の方に変化が見られない…という結果が出ています。

どこで施術は終了する?卒業のタイミングは?メンテナンスはしてもらえる?

最初に判断できるのは5〜10回目なのは分かった、ではその先はどう進めていくのか?についてもお答えします。

最初は週1回(※症状が重い場合は週2回)から始めていき、症状が段階的に回復してきたタイミングで週1回から10日に1回、2週間に1回、3週間に一回、月1回…と少しずつ間隔を空けていきます。

特にお腹の症状はメンタルの不調や疲れなどの影響を受けやすいので、必ずしも直線的に回復していくとは限りません。

ただ2週間〜4週間のまとまった期間で見た時に回復しているなら、施術のタイミングを空けても良いと考えています。

最終的には「回復したけれど不安なのでメンテナンスとして月1回は定期的に施術を受けたい」という方もいらっしゃいますし、「無理しなければ大丈夫なので体調を崩しそうになった時だけ施術を受けたい」という方もいます。

今回はIBS(過敏性腸症候群)を例に話を進めましたが、痛みやしびれの場合も基本的な施術の進め方は同じです。


以上、いろいろ書きましたが結局のところ「個人差が大きいのでやってみないと分からない」という、当たり前の結論になってしまいました。

ただ「効果はないけれどいつまでも通ってください」というわけではなく、最初の5〜10回で施術を続ける価値があるかどうかは判断できます。

人間の身体なので、あまり確定的なことが言えなくてすみません。ただせっかくほくと鍼灸院に施術を受けにきてもらったからには全力を尽くします。

もし「鍼を試してみようかな」と思っている方がいれば、この記事が参考になれば嬉しいです。

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