鍼灸
なぜ鍼は痛くないのか?3つの理由「鍼管」「鍼先の絶妙な丸み」「鍼の“しなり”」
「鍼って痛いですか?」とよく聞かれます。全くの無痛のこともありますが、チクっとする時もあります。その場合も「思ったほど痛くない」と言われる方が大半です。例えるなら、つまようじの先で突っつかれたくらい。これが今のところ一番近いと思ってます。もっと良い例えを知ってるよ!という方がいたら、ご連絡いただけると嬉しいです。
鍼灸師のテクニックもありますが、鍼自体にも痛みを出しにくい工夫が凝らされています。
痛くない理由① 鍼管(しんかん)
鍼をする時は、鍼管に鍼をセットして、上から出ている部分をトントンと叩きます。これを「切皮(せっぴ)」と言います。
鍼をする時に痛みが出てしまうのは「切皮する時の鍼のブレ」「切皮のスピード」が関係します。鍼管がガイドの役割を果たしブレずに素早く切皮できるので、痛みが出にくくなります。
ちなみにこの鍼管、日本で発明された道具です。鍼のルーツは中国にあり、中国式だと鍼管を使わず鍼を手に持って切皮します。もちろん熟練の鍼灸師なら痛みは出ませんが、鍼管を生み出した工夫は日本人らしいですね。
痛くない理由② 鍼先の絶妙な丸み
鍼と聞くと「注射針」をイメージされる方が多いかもしれませんが、実は先端の形状が鍼と針では全然違います。
ちなみに「鍼(はり)」と「針(はり)」はどっちの漢字でもいいんですけど、鍼灸で使う時は「鍼」を使うことが多いですね。
で、写真の通り、鍼灸の鍼の先端は極々わずかな丸みがついています。直接目で見てもわからないレベルですが、この絶妙な丸みによって痛みを出しにくくなっています。
痛くない理由③ 鍼の“しなり”
鍼はとてもよくしなります。
そのため痛みも出にくいですし、体の中で折れたりすることもありません。
鍼の太さをよく「髪の毛くらい」と例えますが、この動画で使っている鍼は0.16mm。太めの髪の毛くらいです。
世界的に見ても、日本の鍼の品質はトップクラスです。日本ならではの繊細な技術によって、痛みの出にくい鍼が作られているのです。