胃腸の症状
胃腸の不調を引き起こす疾患
・機能性ディスペプシア(FD)
食後胃がもたれる、みぞおちが痛い、焼ける感じがするなどの不快な症状があるにも関わらず、内視鏡や胃カメラなどでは異常が見つからない疾患です。胃がんや胃潰瘍などの目に見える(=器質性の)異常がないにも関わらず、胃の働き(=機能性)にトラブルが起きることが特徴です。
「ディスペプシア 」とは「消化不良:bad(dys)digestion(peptein)」を意味するギリシャ語です。日本でこの病名が正式に認められたのは2013年で、かつては神経性胃炎、ストレス性胃炎などと呼ばれていました。
原因は胃・十二指腸の運動のトラブル、心理的なストレス、飲酒や喫煙、ピロリ菌やサルモネラ菌などの感染だと言われています。
病院での治療は、内視鏡や胃カメラなどの検査で胃がんや胃潰瘍などの器質的な異常がないと診断されたのち、症状に合わせた薬が使われます。
・逆流性食道炎
胃から食道へ胃酸が逆流し、食道の粘膜が炎症を起こす疾患です。胃の内壁(粘膜)は胃酸から自分自身を守るための機能が備わっていますが、食道にはありません。そのため、胃酸が繰り返し逆流してくると、食道の粘膜が炎症を起こしてしまいます。また食道の炎症を引き起こすだけで無く、食道がんのリスクも高まると言われています。
通常、胃と食道の間は筋肉(下部食道括約筋)で閉じられていますが、何らかの原因で筋力が低下する、また胃酸が多く分泌されるなどによって、逆流が起きると考えられています。胃酸が逆流する原因は、脂っこいもの、甘いものの食べ過ぎによる胃酸過多、飲酒や喫煙、ストレスなどによって下部食道括約筋の働きが低下した結果だと言われています。
病院での治療は、内視鏡でガンなどの重篤な病気でないことを確認したのち、胃酸を抑える薬が使われることが多いようです。しかし、症状が治まっても同じような生活を繰り返している場合、再発の可能性がとても高いと言われています。
胃腸の鍼治療
胃腸の不調は、腹部の硬さや張り感として現れます。自分のお腹を触ってみると、硬くなっているところ、張っているところ、押すと気持ち悪く感じるところはありませんか?これらを解消することにより、胃腸の機能回復をうながすことができます。
当院の鍼治療はお腹に鍼をするのではなく、お腹を緊張させている手足のツボを使って施術を行います。
手足のツボに鍼をすることで、お腹の緊張している部分をピンポイントで緩めることができます。これを繰り返していくことで胃腸の機能回復をサポートし、症状に悩まされることのない状態を目指します。
また、肋骨・肩甲骨の動きが悪くなると呼吸が浅くなり、精神的なストレスを受けやすくなるケースも多くみられます。胃腸の症状はストレスの影響を大きく受けます。
肋骨、肩甲骨周りの筋肉を緩め、大きくゆったりと呼吸をしやすい状態にすることで、ストレスによる症状の悪化を抑えることができます。
スタッフから患者様へ
検査をしても異常が見つからない、周囲の人に辛さをわかってもらえない、そんなお腹の症状で悩んでいませんか?
薬以外の対処法がない、元々の体質だからしかたない…と周りの人に相談できず、一人でかかえこんでいる方もいらっしゃると思います。
北斗病院鍼治療センターと共同で研究を行い、胃腸の不調はお腹の硬さや張りを解消することで回復につながることがわかりつつあります。
また、生活習慣の改善も非常に重要です。一人一人の体の状態に合わせて、不安なく生活が送れるよう、私たちがお手伝いします。