頭痛

頭痛には、片頭痛・緊張型頭痛など頭痛そのものが痛みの原因である一次性頭痛と、くも膜下出血など別の疾患によって頭痛が出現した二次性頭痛の二種類があります。

当院では片頭痛・緊張型頭痛の一次性頭痛に対応しています。

また後頭部がピリピリする、耳の後ろにズキンとした痛みを感じる後頭神経痛にも対応しています。

痛み止めが効かない片頭痛や緊張型頭痛、後頭神経痛は、頚や肩の過剰な緊張によって引き起こされている可能性があります。

片頭痛

ズキズキと脈打つような、拍動性の痛みが特徴です。“片”頭痛という名前は頭の片側が痛むことに由来しますが、片頭痛のうち約40%の患者さんが両側の痛みを訴えているというデータもあります。

片頭痛には「前兆のある片頭痛」と「前兆のない片頭痛」があり、最も多い前兆として、ギザギザの光のようなものが見え、視界が暗くなる「閃輝暗点(せんきあんてん)」と呼ばれる現象があります。また生あくびや頚・肩のコリ感、漠然とした違和感などの「予兆」を感じる方もいます。

病院の治療では、頭痛の発作が起きた時に飲む痛み止め、頭痛の予防薬、吐き気がある時には吐き気止めなどが使用されます。痛み止めにもいくつか種類があり、トリプタン製剤やNSAIDsなどが痛みの強さや種類によって使い分けられます。

緊張型頭痛

締め付けられるような、圧迫される痛みが特徴です。痛みが起きたり、治まったりを繰り返す「反復性緊張型頭痛」と、毎日のように痛みが起きる「慢性緊張型頭痛」があります。

緊張型頭痛は、頚や肩、背中の筋肉の過剰な緊張が原因だと言われています。筋肉の緊張が高まると、筋肉内の血流が悪くなり、また頭の筋肉を引っ張るので、締めつけるような痛みを引き起こします。また、精神的なストレスによって、それほど筋肉の緊張がなくても頭痛を引き起こすこともあります。

病院の治療では、NSAIDsや、筋肉を弛緩させる効果をあわせ持つ抗不安薬(エチゾラム)が使用されます。また予防的に抗不安薬、抗うつ薬が使用されることもあります。

後頭神経痛

後頭部や耳の後ろに、電気が走るようなビリっとした痛みが起きます。正確には頭痛ではなく神経痛の一種であり、頚から後頭部にかけて存在する後頭神経が頚や肩の筋肉の緊張により圧迫され、引き起こされると考えられています。

近年増加している疾患であり、増加の理由は、スマートフォンの普及によって頚を曲げた前屈みの姿勢を取る時間が増えたため、とも言われています。

頚や後頭部に押すとビリっと痛むポイントがあることも多く、痛みが強い時は髪や頭皮に触れただけで痛みや違和感を感じます。

病院の治療では、痛み止めや神経ブロックの注射が使われます。

頭痛の鍼治療

頭痛の患者さんに共通している体の特徴が、頚・肩の緊張がとても強いということです。

特にマッサージを受けても効果がない、逆に頭痛が悪化するという方には、鍼による治療が効果的です。

施術では頚・肩にたくさん鍼を刺すのではなく、全身を広くみて頚・肩の緊張を生み出しているポイント3〜7ヶ所に鍼をすることで、頭痛の改善を目指します。

全身の中でも、特に①あごの関節②肩甲骨の動き③腹部の硬さ(特に女性)が重要です。

頭痛の鍼治療のポイント①あごの関節

歯をグッと食いしばると、頚や肩が緊張するのがわかると思います。頭痛の患者さんは力を抜いている時でも、あごの周りの筋肉に緊張が残っているケースが多くみられます。あごの周りの筋肉を緩めることで、頚・肩が緊張しにくい状態を目指します。

頭痛の鍼治療のポイント②肩甲骨の動き

肩甲骨には頚、背中、腕、腰からたくさんの筋肉がつながっています。肩甲骨の周りの筋肉が固まってしまうと、肩甲骨の動きが悪くなり、頚・肩が緊張し、頭痛が悪化する…という悪循環に陥ってしまいます。

頭痛の鍼治療のポイント③腹部の硬さ(特に女性)

特に女性の場合、生理周期にともなって頭痛が悪化するケースが多く見られます。生理前や生理中に頚・肩のコリが強くなったり、おへその下を押すと張りや痛みを感じることはないでしょうか。腹部の硬さは、頚・肩の緊張を生み出します。手足のツボから腹部の硬さを和らげることで、頭痛の改善を目指します。

当院では「片頭痛」「緊張型頭痛」「後頭神経痛」という病名だけでなく、頭痛のパターンを細かく聞くことで、一人一人にあった施術を行います。同じ片頭痛でも、片側だけでなく両側が痛む人もいます。痛みの出やすい時間帯はあるのか、光や音に敏感でないか、吐き気はあるのか…特徴は人それぞれで、適切なアプローチの方法も異なります。

スタッフから患者様へ

頭痛のことを忘れて生活してほしい、頭痛に奪われてきた人生を取り戻してほしい…そんな思いで施術をしています。

頭痛の患者さんを多く見る中で感じることは、同じ「片頭痛」や「緊張型頭痛」や「後頭神経痛」と言っても、一人一人原因も違い、適切なアプローチも異なるということです。

まず、最初の問診で頭痛の特徴を詳しくおうかがいします。頭痛手帳(頭痛ダイアリー)をお持ちの方はご持参ください。頭痛の出るパターンが見えてくれば、改善への道も見つかります。

一緒に原因を探し、頭痛に悩まされることのない生活を目指しましょう。私たちがお手伝いします。